ニュージーランドでは、任意の12か月間の売上高が$60,000を超えると、GST(物品サービス税)登録が義務になります。ここでは、それが具体的に何を意味するのか、何が基準額に含まれるのか、そして任意登録を選ぶ方が賢明な場合を分かりやすく説明します。
$60,000の売上高ルール
基本ルールはシンプルです。任意の12か月間に課税対象の売上高が$60,000を超えた場合、または超えると合理的に見込まれる場合、GST(物品サービス税)に登録しなければなりません。これは暦年ごとの判定ではありません。過去と将来を見ながら判定するローリング方式のため、年の途中のどの時点でも該当する可能性があります。
多くの方がつまずくのは、基準になるのが売上高であり、利益ではないという点です。$60,000は、経費を差し引く前の課税対象売上の合計です。個人事業主が$65,000を請求し、費用に$40,000を使っていた場合、売上高は$65,000です。そのため、利益が$25,000にすぎなくても基準を超えています。
| 判定 | 該当する条件 |
|---|---|
| 過去12か月 | 売上高がすでに$60,000を超えている |
| 今後12か月 | 売上高が$60,000を超えると合理的に見込まれる |
どちらかに該当する場合、登録は義務です。将来を見込む判定も重要です。契約を締結した、または新規顧客を獲得した結果、基準額を超えることが分かっている場合は、実際に入金されるまで待つのではなく、事前に登録することが求められます。
義務登録と任意登録
GST(物品サービス税)登録には、登録しなければならない場合と、自ら選んで登録する場合の2つがあります。
- 義務登録は、$60,000の基準額に達した時点で発生します。基準を超えた後は登録するかどうかを選べません。登録が遅れると、後述のような影響があります。
- 任意登録は、売上高が$60,000を大きく下回っていても可能です。事業開始時から登録することもできます。
では、義務になる前にGSTを請求することを、なぜ選ぶのでしょうか。主な理由は次のとおりです。
- 開業費用や設備費用が大きく、それらに含まれるGSTを還付請求したい場合。
- 顧客の多くがGST登録済みの事業者であり、その顧客側で15%を控除できるため、GSTを請求しても気にされにくい場合。
- 初日から価格設定と事務処理を「本格的な事業」として整えておき、後で基準額を超えた際の混乱を避けたい場合。
主に一般消費者向けに販売している場合、任意登録のメリットは小さくなります。15%を上乗せすると価格が上がるか、自社の利益率を削ることになるためです。私たちは一律のルールを当てはめるのではなく、各お客様の状況に応じて判断します。判断の流れは、GST登録は必要ですかのガイドでご確認いただけます。
売上高に含まれるもの
基準額は売上高で判定されるため、何が含まれるのか、何が含まれないのかを把握することが重要です。大まかに言えば、売上高とは、事業活動の一環として販売する商品やサービスである課税対象供給の合計額です。
一般的に$60,000に含まれるものは次のとおりです。
- 商品やサービスの売上
- 請求書を発行する業務の報酬
- Airbnbなどの短期滞在型宿泊収入。これは課税活動に該当します。
一般的に含まれないものは次のとおりです。
- 住宅賃貸や一定の金融サービスなどの非課税供給
- 場合によっては、資本資産の一回限りの売却
- GST(物品サービス税)そのもの
ここで見落としが起こりがちです。長期の住宅賃貸収入だけがある大家さんの場合、それは非課税供給のため、その家賃収入によってGST登録の基準額に近づくことはありません。しかし短期滞在型宿泊を加えると、その収入は課税対象となり、基準額に含まれます。複数の活動が混在する場合こそ、思い込みで判断せず確認する価値があります。これは一般的な情報です。ご自身の状況については当社にご確認いただくか、ird.govt.nzをご確認ください。
登録後の申告頻度
登録後は、定期的なサイクルでGST(物品サービス税)申告書を提出します。頻度は、売上高と選択の両方によって一部決まります。
| 頻度 | 一般的に適している場合 |
|---|---|
| 毎月 | 売上規模が大きい場合、または定期的に還付を受ける事業 |
| 2か月ごと | 多くの小規模事業者(一般的な初期設定) |
| 6か月ごと | 売上規模が小さく、取引数が少なく、事務負担を抑えたい場合 |
あわせて、会計基準も選びます。支払(現金)基準では、実際にお金が動いた時点でGSTを処理するため、キャッシュフローへの負担が軽くなります。請求書基準では、請求書が発行または受領された時点でGSTを処理し、一定の売上高を超えると求められることが多い方式です。
多くの小規模事業者は支払基準で2か月ごとの申告を選びますが、最適な形はキャッシュフローや還付が発生する頻度によって異なります。当社では、お客様に合う頻度と基準を設定し、理想的には会計ソフトも整えて、各申告がほぼ自動で準備できる状態にします。
早めに登録するメリットとデメリット
基準額未満で、任意登録するかどうかを検討している場合は、次のように率直に整理できます。
メリット:
- 開業費用、設備、継続的な仕入れに含まれるGST(物品サービス税)を還付請求できる
- いずれにしてもGSTを控除する事業者顧客に対して、事業として整っている印象を与えられる
- 後で$60,000を超えたときに、価格変更による混乱を避けられる
- 初日から記録が整理される
デメリット:
- 15%を上乗せすると、一般消費者にとって割高になるか、自社の利益率を削る可能性がある
- 定期的に申告書を提出する必要があり、事務負担が増える
- 自社のお金ではない金額を預かり、納付することになる
判断の決め手は、多くの場合、顧客が誰かです。事業者向けに販売しているなら、早めの登録は多くの場合かなり自然な選択です。一方、利益率が限られる消費者向け販売であれば、義務になるまで待つ方がよい場合があります。万人に当てはまる正解はありません。だからこそ、経験則で決めるより、短い相談の方が有益です。より詳しい比較は、GSTに今登録する場合と後で登録する場合をご覧ください。
よくある間違い
GST(物品サービス税)の基準額に関する間違いは、何度も見られるものがいくつかありますが、いずれも避けられます。
- 登録が遅れること。最も高くつく間違いです。$60,000を超えた時点で登録しているべきであり、IRD(ニュージーランド内国歳入庁)は登録日を遡及させることができます。その場合、GSTを請求していたかどうかにかかわらず、過去の売上に対するGSTを支払うことになります。ローリング方式の12か月の金額を確認しておきましょう。
- 売上高と利益を混同すること。判定対象は総売上であり、費用を差し引いた残額ではありません。そのため、実際には基準を超えているのに、まだ安全圏だと思ってしまう方がいます。
- 将来を見込む判定を忘れること。大きな契約を獲得した場合、入金後ではなく、事前に登録する義務が生じます。
- 複数活動による収入を見落とすこと。本来は非課税である住宅賃貸に短期滞在型宿泊を加えると、知らないうちに基準額を超えることがあります。
- 安易に登録解除すること。GST登録を取り消すと、事業資産を売却したものとみなされ、GSTの支払いが発生する場合があります。そのため、単にオフにするのではなく、慎重な対応が必要です。
当社では、お客様のローリング方式の売上高を継続的に確認し、遅れることなく、かつ誤って登録してしまうこともないよう、適切なタイミングで登録できるようにします。
このページは一般的な情報のみを提供するもので、個別の税務アドバイスではありません。状況はお客様ごとに異なる可能性がありますので、無料レビューをご予約のうえご相談ください。分かりやすく言えば、任意の12か月間の売上高(利益ではありません)が$60,000を超えた場合、GST登録は義務です。ローリング方式の金額を確認し、遡及請求を避けるため期限内に登録しましょう。
これは一般情報であり、個別の税務助言ではありません。詳しくは 免責事項全文.